2014年04月10日

逓信省記葉を軍事転用

TAIREI-2.jpgTAIREI-1.jpgシベリアで使われた大正大礼記念の逓信省絵葉書です。第28野戦局大正8(1919)年7月25日の引受印があります。この局は当時ザヴィタヤにありました。野戦局で使われた記念絵葉書というと例外的な持込み使用と思いがちですが、実はこれ、逓信省が正規に配布したシベリア出兵用「軍事郵便葉書」なのです。

逓信省は大正8年4月26日付で陸軍省に次のように通牒しています。「(これまでは『軍事郵便』加刷した3銭封緘葉書を配布してきたが、製造が不能となったので)今後当分ノ内軍事郵便葉書ノ代用トシテ当省発行絵葉書ヲ配布ニ致、差当リ大礼記念絵葉書ヲ野戦交通部郵便長宛送付方取計置候」「軍事郵便物トシ差出スノ外他ニ譲渡ヲ為サシメサルコト」「1人1ケ月交付枚数ハ4枚トスルコト」

通牒に基づいて、5月2日に大正大礼記念絵葉書12万組が現地に向け発送されました。続いて10月10日と12月1日にも同様に追送されています。この絵葉書は大正4(1915)年に2枚1組で300万組が発行されました。売れ残りも大量にあったのでしょう。総計72万枚がシベリアに送られたことになります。しかし、このように長期にわたって毎月配布されたのでは、記念の意義など失われてしまいます。完全な「廃物利用」の性格です。

シベリア出兵時、このような売れ残り記念絵葉書の軍事郵便への転用は他に神宮式年遷宮(1909年発行)、日英博覧会(1910)、平和記念(1919)、通信事業創始50年(1921)の4種が見られます。大正大礼と平和記念以外は少なく、珍しい使用例です。
posted by GANさん at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ステーショナリー | 更新情報をチェックする
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