2014年05月13日

「真正」蘇炳文カバー

SU-1a.jpg「満州国」初期のいわゆる蘇炳文切手を貼った封筒です。「満州国」第1次普通4分切手に赤色で「中華郵政」と加刷してあります。2012年版「日専」カタログは「真正のカバーは確認されていない」とわざわざ注記しています。

それなら、GANは「真正品第1号はこれだ」と宣言しましょう。赤加刷の上に黒色の消印が乗っているのがSU-2.jpg明らかだからです。

引受印は不鮮明ですが、「黒龍江/丗二年十一(あるいは十)月廿三日/哈爾賓」と読めます。「丗二年」は1932(昭和7)年を表します。裏面に到着印らしいものが押されていますが、まったく判読できません。

表面には全文ロシア語で「満州里駅/第1保線区事務所/技師/ニコライ・ウラジミロヴィチ/チャン・ツィユン」と書かれています。ロシア籍の中国人(あるいはその逆)か。あるいはウラジミロヴィチ、チャンの両氏連名に宛てたものでしょうか。差出人名はありません。

蘇炳文は奉天軍閥・張学良配下の軍人でしたが、「満州国」から黒龍江省政府の市政警備処長に任命されました。32年9月末に満ソ国境の満州里で「反満抗日」の旗を掲げて挙兵、一時は中東鉄道の哈爾賓以西を制圧します。すぐに日本関東軍の反攻を受けて敗れ、12月初旬にソ連に亡命しました。

「蘇炳文切手」は32年10、11月ごろ、蘇炳文支配下の満州里、海拉爾、博克図などの「満州国」郵局で発売したとされます。加刷は各郵局ごとに木版手押しでなされたといわれます。当時から本物・偽物が入り乱れ、信用できる完全なリストはまだ無いようです。

赤木英道氏「満洲国郵便切手変種チェックリスト」(『切手趣味』第12巻第5号)は、加刷の字体にA、Bの2タイプを図示しています。田中清氏『満洲切手』は赤木氏と同じものを「満州里型」「海拉爾型」と名付けているようです。

このカバーの字体はそのいずれとも似ず、とくに「中」の字体に極めて大きな特徴が見られます。さては、新たな「Cタイプ」「哈爾賓型」の登場か、あるいは真っ赤なニセモノか。--関心ある方のご批判を仰ぎます。画像は、クリックを重ねれば16倍程度まで鮮明に拡大できます。
posted by GANさん at 23:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 「満洲国」 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
蘇炳文切手については知識がないので真偽を述べることはできませんが、消印についてひとつ質問があります。哈爾賓は満洲国建国以前は吉林省に属していて黒竜江省ではないので、哈爾賓以外の地名である可能性はありませんでしょうか。
Posted by 中島八十一 at 2019年04月17日 16:54
哈爾賓が吉林省に属すこと、局名が哈爾賓以外の可能性があること、いずれも中島様ご指摘の通りです。消印の下部局名欄の第1字は「哈」ですが、第2字は「爾」には見えません。哈爾賓と読んだのはGANの思い込み・早トチリでした。「哈」の付く局名が黒竜江省内にあるのか、そもそもこのカバー自体が全くのニセモノなのか、検討を続けます。ありがとうございました。これを機会にご指導よろしくお願い申し上げます。
Posted by GAN at 2019年04月17日 18:48
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