2015年07月23日

赤紙軍事のプルーフ出現

PROOF.JPG愛称「赤紙軍事」の一種、「遼陽占領一週年招魂祭紀念」絵はがきです。東京・錦糸町で7月17日から開かれた全日本切手展初日のブース漁りで、同種の数点と共にゲットしました。

赤紙軍事は日露戦争の戦地・満州で、紅色地の逓信省発行軍事郵便はがきを使ってイベントの記念や現地の風俗・風景を印刷したものです。この絵PROOF-2.jpgはがきには明治38(1905)年9月4日、遼東兵站監部と、発行日、発行者名も印刷され、発行事情が分かります。

ですが、どこかおかしい。色がヘンなのです。本来、この記念絵はがきの刷色は黒なのに、これは緑です。さては新種か! 裏返してみると、台はがきは戦争の当の相手であるロシア帝国の官葉、内国用紋章3Kはがきではありませんか。

もちろん、この絵はがきをロシアが発行するわけはありません。遼東兵站監部は製作の際に、刷色を色々と変えてテストしたのでしょう。つまり、プルーフ(試刷)と考えられます。例えば遼陽や奉天のロシア局を占領し、そこで押収した多量のはがきを流用したのだと思います。プルーフの用紙が現に対峙中の敵国のはがきなんて、いかにも戦地ならではの話です。

それが破棄を免れて1世紀を超えた今日まで伝わったのは、当時の担当者が資料性を認めて大事に保存していたためでしょう。赤紙軍事のプルーフはこれまで未発表で、製作経過を考察する好資料と思います。手持ちの正式発行分(黒色)と比べて見ましたが、図案は細部に至るまで同一で、変更点はありませんでした。
posted by GANさん at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ステーショナリー | 更新情報をチェックする
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