2016年07月26日

またニセ消印でバレバレ

赤坂.pngまたまた乃木将軍の「ご真筆」をうたった真っ赤なニセはがきがヤフオクに登場し、結構なお値段が付きました。出品者も応札者も、いつまでも懲りないように見えますが、実際は「やらせ」の「釣り上げ」ではないかとGANは疑っています。

7月23日に終了した「乃木希典直筆葉書」なるものが、62,000円で落札されました。文字そのものがいけませんが、GANがニセと断定できる根拠は、押されている赤坂局の消印があり得ない偽造印だからです。

本当に将軍が書いたものなら偽造印など面倒なものを作って押す必要などない。「ホンモノですよ」と赤坂局に「箔を着けて」もらうため、実際に使われたように見せかける必要があった、という理屈です。
aka.png
この消印は絵はがきに貼られた菊1.5銭切手を抹消するために押されています。「赤坂 42. 8. 5 前6-9」とあり、東京の赤坂局で明治42年8月5日午前6-9時の間に受け付けたことを表します。

これが、真正印とは活字のフォントがまったく違うのです。櫛歯の形や日付欄の横桁の太さなども変で、アヤシイ雰囲気が漂います。一見しただけで分かる典型的な偽造印です。

まず最大のバレバレは、局名「赤坂」のフォントが明朝体であることです。櫛型日付印の漢字フォントは原則ゴチック体で、明朝体の消印は日本内地にはありません。また、明治期の日本内地で「前6-9」という時間帯も存在しません。全国どの局も午前5時から始まるので、3時間刻みなら「前5-8」や「前8-11」しかないのです。

更に、郵便物を1日10回以上集配する局は必ず1時間刻みにすることが定められていました。恐らく当時15回前後の集配をしていたと考えられる東京市内の局である赤坂も当然、「前6-7」や「前8-9」でなければなりません。3時間刻みというのは、最も郵便物の少ない田舎の局で使われた消印です。今年1月29日の本ブログで「XY2型」という”珍印”のあるニセモノをご紹介しましたが、それと同工異曲の代物です。

蛇足ですが、この時代の郵便物として到着印のないのもおかしい。裏面はアート紙に印刷された「(濱松名所)五社神社」と説明のあるカラー写真です。明治末期にアート紙やカラー写真は少し早すぎ、大正後半から昭和戦前期に製造されたものでしょう。

繊細で律儀な性格の将軍が、通信内容と無関係な静岡県の神社の絵はがきなど、たとえ手近にあっても使ったりするでしょうか。「乃木さんのこと、あんましなめんじゃねー」とGANは偽作者に言いたいです。
posted by GANさん at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ニセモノ列伝 | 更新情報をチェックする
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