2017年06月16日

岡山局引受「8」検閲印

OKAYAMA 8.jpg東郷5銭が貼られ、岡山局昭和18(1943)年7月10日引受の大阪府堺市宛て書状です。逓信省検閲を受け、下部に貼られた再封の検閲封緘紙が検閲印で割印されています。ヤフオク落札品で、今日到着しました。

検閲印はA欄「逓信省」、C欄「検閲済」の、よく見るタイプの検閲印のようですが、B欄はアラビア数字でただ「.8」とだけあるのが特異です。年月日を表示したが「年」と「日」活字が出ず、「月」活字だけが表れた、というのではありません。引受日から20日以上過ぎないと8月にはならず、矛盾するからです。

これは初めから「8」と表示するつもりだったと見るべきでしょう。数字の前に余計なピリオドが付いていますが、「8月」や「8日」活字で代用すると、こうなります。検閲印のローカルなバラエティーの中にはB欄アラビア数字2桁のものを名古屋逓信局管内などで見かけますが、1桁タイプはこれが初出と思います。

では、検閲局番号「8」とはどこか。GANの見立てでは広島局です。広島局は臨時通信取締令の適用当初から検閲司掌局に指定され、「第八」の検閲局番号を使いました。広島逓信局管内の広島、鳥取、島根、岡山、山口の5県で検閲を受けるべき郵便物は原則として広島局に集められ、検閲後は「第八」検閲印が押されました。ただし、国際郵便は下関局「第九」で検閲しています。

この書状は広島逓信局管内の発信で、時期も「第八」検閲印が使われた期間内です。アラビア数字「8」検閲印は何らかの事情があって、「第八」検閲印の代わりに臨時的に使われたのかも知れません。あるいは、単なる想像に過ぎませんが、広島局だけでなく岡山局でも検閲することになって、この検閲印が使われた、などということはないでしょうか。

岡山県内発信の検閲郵便物は非常に少なく、GANはまだ現物を見たことがありません。わずかに1点、名古屋の田中茂氏から「第八」検閲印押し「玉島局20年1月14日」のデータをお知らせ頂いたばかりです。今後、他のアラビア数字1桁の検閲印や岡山県発信の同時期の検閲郵便物の出現を待って、使用状況を解明したいと考えています。

追記(2017.06.18) この記事について田中茂氏からご連絡頂き、田中氏もアラビア数字1桁「.8」検閲印のエンタイアをお持ちで、しかも同氏から既にGANにご提供頂いていた検閲データ群の中に含まれていることを知りました。田中氏にお詫びと感謝を申し上げます。

田中氏データは「岡山局18年6月21日」でした。記事で紹介したエンタイアと同じ岡山局引受けで、しかもほぼ同時期の使用例です。「岡山局での臨時的な検閲を示すのではないか」とのGANの勝手な憶測を補強するように見え、意を強くしています。
posted by GANさん at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 郵便検閲 | 更新情報をチェックする
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