2014年04月07日

台湾陸軍部隊に臨時局印

MOJI.jpg「第六十六臨時」のいわゆる「臨時局」印で昭和19(1944)年10月9日に引き受けられた楠公3銭はがきです。発信者が陸軍の兵士である点が特異です。本日入荷しました。

臨時局印は、聯合艦隊所属の艦船が内地港湾に入港したさいに差し出す郵便物に限って、1941(昭和16)年夏から太平洋戦争の全期間に使われました。艦船の行動秘匿のため、日付印の局名を地名でなく「第○○臨時」という番号に変えたのです。

目的からいって、陸軍はこの日付印と本来は無関係のはずでした。しかし、実際には、千島・樺太方面に派遣された北部軍(後に北方軍)からの郵便物にはかなりひんぱんに使われています。この問題については、いずれ機会を得て検討してみたいと思っています。

今回のはがきはアドレスに「門司局気付」とあり、北部軍ではありません。門司を交換局とするような派遣方面は、まず台湾でしょう。1945年4月に台湾の陸軍部隊に無料軍事郵便が適用されたさいの逓信省告示にも、「門司局気付」を肩書きするよう指定されています。

差出人が所属する「第10275部隊」は「海上挺進基地第25大隊」を意味します。比島の次は台湾に米軍が侵攻すると誤判した大本営が急派した、陸軍の海上特攻部隊ではないでしょうか。大内・津野田氏「旧帝国陸軍編制便覧」によると、この部隊の通称符は「湾」です。これは台湾防衛の第10方面軍を表すので、やはり台湾発信は確実と思います。

さて、最大の問題。陸軍部隊の郵便物に、なぜ聯合艦隊用の臨時局印が押されているのか? 現時点でGANには分かりません。本来の台湾局に差し出す時間を惜しみ、内地直行の海軍輸送船に委託搭載された可能性があることを、当面は指摘しておきます。
posted by GANさん at 23:43
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