2014年02月16日

認印を押し「検閲済み」

須貝1.jpg太平洋戦争の直前に施行された臨時郵便取締令による検閲が、南洋庁管内でも行われていたことを示すはがきです。料額印面(楠公銅像)下にさりげなく押されている「須貝」の認印が検閲印に相当します。

南洋庁では、検閲した職員の認印を押して「検閲済み」であることを表示しました。必ず印面の直下に押されているのが特徴です。

この「須貝」印の主の須貝春吉は通信書記という身分の幹部職員でした。荻原海一氏の『南洋群島の郵便史』(2005年)によると、サイパン局では須貝書記以下4人の職員が代わる代わる検閲に当たっていたことが分かります。

南洋庁で検閲が始まり、検閲印として認印が使われるのは、内地で検閲が始まってから1年も過ぎてからだったようです。荻原氏によると、これまでに1942(昭和17)年12月30日-44年3月21日の間のデータが見つかっています。このはがきの日付印は昭和17年12月8日なので、使用開始時期を3週間ほど遡る最古使用例ということになります。

44年春頃から南洋庁管内にも「南洋/検閲済」と入った正規の丸二型検閲印が導入されます。それまでの1年数ヵ月間はこういった認印が各局ごとに使われました。無関係な他人の認印がなぜはがきに押されているのかのかも含め、南洋庁が検閲を実施している事実など受取人にはまったく分からなかったことでしょう。
posted by GANさん at 22:51
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