2014年04月08日

ニセ封筒付きの偽造書簡

NOGI-E01.jpg軍事郵便ではなく普通郵便に仕立てた乃木将軍のニセ手紙も市場に出回っています。画像は偽造した将軍の手紙に付けられた封筒の部分です。

今年1月29日終了のヤフオクに出品されたものです。書簡と封筒を軸装して「将軍自決7ヵ月前の真筆」という箱書きまで添えられ、¥79,761円で落札されました。

なぜ偽造書簡かというと、封筒の表裏に押されている2個の日付印がとても下手な作りのニセモノだからです。まず、表面の方の印ですが、見てすぐ分かるように、切手と消印がまったくタイ(to tie=連結する、つなぐ)していません。

NOGI-E02.jpg理想的には「赤坂局 明治45年2月9日」の消印が押された菊切手があればよかったのですが、コレクターでも入手は困難です。

そこで、消印が「45年2月」と部分的に押されている切手を見つけた上で封筒に架空の「麹坂?」局印を押し、両方を無理して貼り合わせようとしたのでしょう。

ところが、円周で合わせると日付欄の桁が合わず、桁で合わせると円周が合致しません。そもそも切手の桁の高さより封筒に押した印の桁の方を広く作ってしまったので、しょせん一致するはずもないのです。

NOGI-E03.jpg裏面の消印は広島局の着印のつもりで押したのでしょうが、稚拙な偽造印です。ピシッとした桁線の金属製真正印とは違って2本の桁がフラフラで、偽造ゴム印の味がよく出ています。日付数字もフォント、サイズともホンモノとはまったく異なります。

封筒の表面と裏面は別のものを貼り合わせています。裏面の方は乃木将軍のサインごと真正品の可能性があります。しかし、表面の方は運筆が全く異なり、明らかに別人の書体です。裏面を入手した偽作者が、これをネタにひと稼ぎ、と偽造書簡をでっち上げたのではないでしょうか。

仮に書簡(ここには示していません)がホンモノだとしたら、封筒を偽造する必要などないのです。書簡がニセモノだからこそ、少しでもホンモノらしく見せようと企んだことでした。しかし(幸か不幸か)、偽作者には郵便や消印の知識が全くなかった。余計なことをしたため、かえって馬脚を表すに至った典型例です。

posted by GANさん at 23:09
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