2021年07月21日

戦艦香取に届いた英電報

電報_3.jpg英国ポーツマス軍港に停泊中だった日本海軍の戦艦「香取」に配達された電報です。軍艦郵便ならぬ「軍艦電報」でしょうか。久びさのヤフオク落札品です。

昭和天皇は皇太子だった裕仁親王時代の1921(大正10)年に当時の同盟国イギリスなど西欧5ヵ国を訪問しました。電報_1.jpg外国王室との親交、帝王学修得の一助が目的とされます。皇太子の乗艦が香取でした。

この航海と軍艦郵便については、本ブログで既に書きました。関心のある方は2014年06月07日「皇太子訪欧御召艦香取」をご参照下さい。

電報の受取人は皇太子の公式随員だった東宮侍従で伯爵の亀井茲常これつねです。亀井は東京帝大を卒業して宮内省に入り、式部官、主猟官などを経て東宮侍従になっています。当時37歳、働き盛りのキャリア官僚でした。宮内省から語学・式典研究で英国に派遣された経験もあり、通訳としても期待されたと見られます。

「Count Kamei, Japanese Warship Katori」宛て5月16日12時25分に東京中央電信局から発信されました。約1日後の17日11時50分にポーツマス局に着電し、同局は鉛筆で転写した送達紙を専用封筒(上図の下)に納め、日付印を押して配達しています。艀はしけで軍艦に渡ったと思われますが、艀使用料もNO CHARGE無料です。

電文は「ご病気と聞いたが、大丈夫ですか?」という見舞状です。発信者は東宮大夫だいぶの浜尾新(元東京帝大総長、文相)の身内の人たちのようですが、よく分かりません。亀井を含む一行は到着後ロンドンに移り、電報が届いた5月17日にはオールダーショット陸軍基地などを訪問中だったようです。

なお、この「ポーツマス」はイギリスでも長い伝統を誇る軍港で、日露講和会議が開かれた米ニューハンプシャー州の同名の地とは別です。
posted by GANさん at 02:18
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